2016年4月26日火曜日

「FSHが高い」と言われた方、あきらめる前に鍼灸を受けてみませんか?

不妊の原因として、「排卵障害」がありますが、その原因に「FSHが高い」と指摘されるケースがあります。そんな方でも鍼灸治療を受けることでFSHが下がる=排卵する可能性があります!

話が長くなりますが、FSHが高いといわれてしまった方にはぜひ!じっくりと読んでいただきたいと思います。今回は、以下の3つの話題について紹介していきます。

  1. FSHと排卵の関係
  2. FSHが高くなる4つの原因-タバコ、ピル、加齢、腫瘍-(治療院でのケースを一部交えて)
  3. 鍼灸でどうやって卵巣の血流を良くするのか

FSHと排卵の関係

下垂体前葉と言う脳の一部から放出される卵胞刺激ホルモンのことで、「未成熟の卵、育て~!」と卵巣に命令します。

卵が育ってくると、卵巣から「卵が育っているよー」というお知らせ(インヒビン)が脳に行きます。すると、脳はFSHを出すのを辞めます。

排卵することでインヒビンが止まり、再び脳はFSHを放出し始めます。

FSHの値が高い(FSHがたくさん出ている)とは?


脳が

「あれ? 育てって命令出しているのに卵巣からフィードバックがないぞ。育てー! 育てー! おーいっ!!」

と一生懸命呼びかけている状態です。

にもかかわらず卵巣が応答しないのは、卵巣機能が低下していると考えられる状態です。

FSH値が高くなる4つの原因 -タバコ、ピル、加齢、腫瘍-

タバコ

タバコは血行不良、活性酸素を引き起こします。卵巣機能の良し悪しはこの2つに左右され、不妊の原因として論文でも指摘されています(さらに流産もしやすくなります)。

治療院でも、20代や30代半でFSHが高いといわれた方、タバコを吸っている(いた)方が多いです。30代後半で早期閉経間近と言われた方もタバコを吸っています。このような方達でも、排卵した、卵の質がよくなったと報告をいただいております。

鍼灸には血流改善効果、活性酸素の発生を抑える効果が認められており、タバコによって機能が低下した卵巣を活性化できる可能性があります。しかし、妊娠を望んでいる方はできるだけ早いうちにタバコを辞めることをオススメします。

ピル

20代後半で排卵障害でくるかたはピルを使っているケースが多く、当院の患者さんで見ると3年~7年間使っています。

妊娠中から産後にかけて女性は排卵が止まりますが、自然に止まる年数を超えてピルで排卵をとめていると、卵巣に廃用性萎縮(使わない機能は衰える)起きます。過去にピルの使用歴があり、排卵障害がある、FSHが高いと指摘された患者さんでも鍼灸治療をすることで排卵・採卵ができるようになったと報告をいただいております。

過去記事 こちらの患者さんはピルとタバコをダブルで経験があり、採卵したら空胞が出ていましたが、無事に採卵・着床までいたりました。

加齢

年齢とともに卵巣も年をとります。タバコやピルの経験がなくとも、30代後半から加齢が原因となってFSHが高いといわれる方が来院します。

48歳(3人目不妊)の方のケース

当院で最高齢の子宝鍼灸コースの患者さんは48歳で「排卵誘発剤を使ってもFSHの値が高くなり排卵しないのをなんとかして欲しい」と来院しました。数回の治療でFSHが下がり排卵・採卵ができるようになりました。

この方は採卵できると鍼灸治療を辞めてしまうのですが、しばらくすると「FSHが高くなって、再来院」を繰り返していました。来たり来なかったり半端に通院していると、特に閉経間近の方は時間が惜しいですね。いずれにせよ「鍼灸をするとFSHが下がる、鍼灸を辞めるとFSHが上がる」と非常に判りやすいケースでした。

凍結胚を移植してから来院しなくなったので、その後どうなったかが残念ながら判りませんが、加齢要因によってFSHが高くなった方もあきらめずに鍼灸にチャレンジしてもらいたいと思います。

治療効果が出づらいケース

治療をしても卵巣機能が向上しないケース、あるいは向上するまでに治療回数を要するケースがあります。睡眠時間が5時間未満のハードワーク続けてる、妊活中も変わらずハードワークである、年齢が30代後半以上であると鍼灸治療の効果が見られない、あるいは半年ほど治療を継続することでようやく良い結果が得られるようになる(胚盤胞まで受精卵が育つようになった、など)ようです。

鍼灸を受けつつ、ワークワイフバランスを見直すことも大切です。

腫瘍

下垂体腫瘍でもFSH値が高くなることがあります。レディースクリニックではなく脳外科など専用の検査が必要になります。途中で腫瘍に気づき、不妊治療を断念するケースもあります。

こちらに関しては残念ながら鍼灸不適応です。

鍼灸でどうやって卵巣の血流を良くするのか

動脈血の循環の始まりは心臓です。心臓から出た血液は、冠状動脈⇒胸大動脈⇒腹大動脈で腎動脈など分岐し始め、その近くで卵巣動脈(男性であれば精巣動脈)にも分かれていきます。

体の表から見ると腹部、体の背面から見ると腰の上(腎ユ穴)が卵巣動脈に近い部分となります。

鍼灸をした箇所に血液が集まるという特性から、卵巣動脈近傍にアプローチすることで、卵巣血流をアップすることが可能です。

「FSHが高い」といわれた方、あきらめる前に鍼灸を受けてみませんか?

卵巣の老化は個人差があり、中には不可逆的なほどに老化が進んでいると推測される方もいますが、FSHが下がった、排卵した、採卵できたと嬉しい報告をいただくケースが多いです。

鍼灸治療と不妊治療を併用したことがない方、一度試してみてはいかがでしょうか?

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