2016年5月15日日曜日

癒しの森のストレッチと関節運動法(JMT)について紹介

原口です。

指圧は押すだけでないと別記事で紹介しましたが、癒しの森では指圧だけでなく、患者さんの関節の体の状態しだいで、ストレッチや関節運動法(JMT)を取り入れていますので、今回はこれらについてご紹介します。


ストレッチ

筋肉を伸ばすストレッチは馴染みがありますが、我々治療家の世界において、近年は「経絡ストレッチ」という新しい概念もあります。気の通り道とされる経絡の一部は、複数の筋肉の連結(アナトミートレイン)をあらわしていると考えられます。

このように、単なる筋肉のストレッチと捉えず、経絡や経穴の存在も考慮していくことが大切です。さらに、のびづらい筋肉には「アンカーストレッチ」として筋を押して補助をするテクニックがありますが、この際に経穴もとらえることにより、ツボ療法とストレッチの相乗効果が得られます。

三角筋

腕を牽引すると、肩関節が動いてしまうので、反対側の手で肩を抑えておくと良く伸びます。三角筋は前部・中部・後部と線維が分かれているため、肩関節の内・外旋の角度しだいでどの線維が伸びるかが異なります。その角度の微調整が良く伸びる秘訣です。

三角筋上には、手の陽明大腸経の経穴、臂臑(ひじゅ)、肩髃(けんぐう)、ならび手の太陽小腸経臑兪(じゅゆ)といったツボがあります。五十肩の治療にも適します。

五十肩にも

肩甲下筋

ちょっと馴染みのない筋肉かもしれませんが、肩甲骨と肋骨との間に肩甲下筋(そのまんまの名前)があります。この筋肉を何らかの理由で傷めると、肩の可動域が狭まります。女性ならブラのホックのつけはずしで困ります。

脇には手の少陰心経絡のはじまりのツボである極泉(きょくせん)があります。極泉に鍼をすることはめったにありませんが、腋窩神経がある箇所で、腕の痺れを治療、心疾患、精神のトラブルに対応できるツボです。また腋窩リンパ節もあるので、腕のむくみ解消でも欠かせないところ。

癒しの森の患者さんでも、脇の指圧やストレッチが喜ばれるケースがあります。矢印のように、患者さんの腕を内外転して刺激する箇所を微妙に調節するのが気持ちよさの秘訣です。

五十肩・肩こりにも

後脛骨筋

後脛骨筋のストレッチは、図に入れた赤い線のように、外側にひねるように(外反)して足関節を背屈させるのがコツです。内反捻挫の既往が在るかたは足関節が内側ねじれている(内反)ので、これで関節の位置調整をすると良いです。足関節の歪みは下部胸椎にまで及ぶので、なかなか解消されない腰痛治療するのに、じつは足関節を診なくてはいけないというケースもあるかもしれません。 

後脛骨筋には足の太陰脾経絡三陰交(さんいんこう)、漏谷(ろうこく)、地機(ちき)、陰陵泉(いんりょうせん)といったツボがあり、後脛骨筋の痛み解消、足の冷え、むくみ解消、骨盤内臓器の血流改善、婦人科疾患、膵臓の調整・・・と治療効果は多岐にわたります。
むくみ・冷えに。健康は足元から

前脛骨筋

前脛骨筋上には足の陽明胃経足三里(あしさんり)、上巨虚(じょうこきょ)、条口(じょうこう)、下巨虚(げこきょ)、豊隆(ほうりゅう)が存在します。これらは胃酸分泌・食欲増進、痰湿(不要な水分)の除去、健脚のツボです。

前脛骨筋は足を底屈(爪先立ちの形)させるだけでなく、内反もくわえて角度をつけることが大切ですが、アンカーストレッチ必須の筋肉です。写真ではアンカーストレッチの際に足三里をとらえています。




関節運動法(JMT)

関節運動法とは、一連の動作をリズミカルにおこなうことで、関節の位置を調整する他動的運動療法です。筋緊張の緩和、関節可動域の拡大、生理的関節可動域の回復を目指します。指圧・鍼灸・ストレッチでじっくりと筋肉をほぐした後に、JMTを加えると関節を衝突させることがありません。強い力を加えるものではないので、初めての人でも痛くなく、優しく関節の位置を整えます。

*JMT=ジョイントモーションテクニック(Joint Motion Technicの略)

JMTの風景の一部




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